電子レセプトの猶予期限終了がいよいよ迫ってきました。レセコン、電子カルテを利用している場合、平成27年4月診療分以降は電子レセプトしか受理しなくなります。平成27年の4月診療分以降ということは、平成27年5月10日には、必ず電子レセプトで請求する必要があるということになります。
電子レセプトでの請求にはCDのような媒体で提出する方法とオンラインで行う方法があります。どちらの方法でもすぐにはじめることはできません。提出開始までに必要な手続きがあります。最終期限に間に合うように日付けをいれていますが、直前には申請が集中して基金の事務処理が滞りこの期日が守れない可能性もあります。できるだけ早く申請を行うようお勧めします。
このページでは電子媒体での提出時の申請手続きを解説します。オンラインでの方法はこちらをご覧ください。
1、確認試験の申し込み 平成27年3月20日
2、試験日程の調整
3、試験用の電子レセプトの提出 平成27年4月上旬頃
4、試験結果の受取りとレセコンメーカーへの連絡、結果の評価
5、本請求の申し込み 平成27年4月20日
6、本請求の開始 平成27年5月10日
確認試験は社保(基金)と国保(連合会)の両方にそれぞれ受けます。面倒ですが同じことを両方にする必要があります。
申請及び請求先(申請用紙の審査支払機関名欄等)は中央ではなく県(支局)の基金と連合会にします。東京なら
東京都社会保険診療報酬支払基金
東京都国民健康保険団体連合会
に申請します。
レセ電の申請をする場合、まず上記の基金と連合会に電話してご相談することをお勧めします。一度直接お話しておくと以後の手続きをスムーズに進めることができます。
確認試験中の本請求は紙のレセプトで行います。電子レセプトでの本請求が始まる前までは従来通りの紙レセプトを提出してください。
『光ディスク等を用いた費用の請求に係る確認試験依頼書』を基金と連合会の双方に出します。
用紙は基金や連合会に連絡すると送っていただけますが、支払基金のwebサイトの様式集(http://www.ssk.or.jp/yoshiki/yoshiki_02.html)からダウンロードすることもできます。
ワード文書なので、必要な事項をワードで埋めて印刷することができます。
送付方法は郵送かFAXです。事前に確認しておくと良いでしょう。
締め日は毎月20日です。
確認試験を行う場合、最終期限は平成27年3月20日です。その日までに提出し、翌月の4月10日までに確認試験用の電子レセプトを提出します。この場合、平成27年3月診療分の電子レセプトを作成して提出し、試験を受けられます。
記入例です。記入にあたって特に難しいところはありません。
医療機関コード、名称、住所、電話番号はそのままです。
医療機関名は注意してください。電子レセプトに埋め込まれた医院名と完全に一致する必要がありますので、レセコンに登録された医院名を見て、スペースの有無、カンマや中点、ハイフンなどの記号などを良く確認してください。
依頼回数は、これから受ける確認試験が何回目かをいれます。初回なら新規に丸をつけます。
プログラム名称は、レセコンの機種名です。「カルテメーカー」と記入してください。
ソフトメーカー名は、メーカー名です。カルテメーカーの場合「矢嶋研一」と記入してください。企業名が欲しいと言われた場合は「カルテメーカー製作所 矢嶋研一」です。
電子媒体は電子レセプトをいれる媒体名です。FDかCD-Rですが実際に提出する媒体を選択してください。
見込件数は、おおよそのレセプトの枚数です。この依頼書の提出時点では枚数が確定していないのでおおよその数で大丈夫です。前月の実績を参考にするといいでしょう。
*最悪の場合、確認試験を受けずに本請求を申し込むことも可能です。でもこの場合、想像以上に多くの返戻が発生する可能性が高くなります。そうならないためにも十分な余裕を持って手続きをしてください。
確認試験依頼書を提出すると、基金と連合会から連絡がはいる場合があります。通常は前記したように20日までに提出すると翌月10日が提出期限になりますが、状況によってはもっと柔軟に対応してくれます。
連絡がはいりましたら、媒体を用意する十分な時間を設定して期日を決めましょう。
日程が決まると『電子レセプト確認試験実施連絡書』という書類が郵送かFAXで送られてきます。
確認試験に使う電子レセプトを発行します。
試験用のデータはサンプルではなく実際の診療に基づいたレセプトです。確認試験では電子レセプトの中身を確認するのが最大の目的ですが、実際にはレセ電のよる請求業務全般にわたるリハーサルと捉えるべきです。
レセコンに電子レセプト用として追加された各機能や新しい使い方を調べ、本番で戸惑わないようにしっかりと確認しましょう。疑問点はメーカーに聞いて解決しておくことも重要です。
確認試験用の電子レセプトは本番に使うものと同じなので、例えば4月10日までに提出するのであれば、3月診療分の電子レセプトを作成します。
ディスクに貼るラベルやCD-Rへの記載内容も本番と同じですが、試験用と判別できるように「試験用」と朱書きしておきます。
もし、提出期限を違うように調整した場合は、提出する電子レセプトの診療月を必ず確認するようにしましょう。
■参考
カルテメーカーによる電子レセプトの発行方法の動画です。
できた電子レセプトは郵送か宅配便で基金と連合会に送ります。
※確認試験中のレセプトは従来通り、紙に印字したものを別に用意して請求してください。
媒体が破損している、あるいは電子レセプト全体が読み込めないなどの全部のデータがダメな場合はすぐに連絡がきます。この場合は予備に作成しておいたディスクをすぐに発送します。
読み込みに問題なければ日程通りに試験は行われます。その後、日程通りに郵送で試験結果の書類が送られてきます。送られてくる書類は次のようなものです。
確認試験結果連絡書
受付エラー連絡書
確認試験結果リスト
出力紙レセプト(エラー分だけ)
何らかのエラーがありましたらメーカーに連絡を取ってください。カルテメーカーの場合は基本的にすべての書類を送ってもらっています。
エラーがなければ、次は本請求への手続きに進みます。
エラーがある場合メーカーと相談し、エラーの対策を講じた上で再度確認試験を受けるか、あるいは、本請求に移るかを決めます。
再度、確認試験を受ける場合は、「1、確認試験の申し込み」からやり直します。
本請求に移行する場合は次の「5、本請求の申し込み」に進みます。
受付エラーはCSVデータそのものに問題があり、コンピュータがデータを読み取れないというエラーです。電子レセプト特有のカルテの入力を行っていない場合、また名前や摘要文にJIS第一、第二水準以外の文字を使ってる場合もこのエラーがでます。特殊な処置を算定した場合などレセコン自体が未対応という場合もあります。
メーカーに連絡を取ってカルテを整備するとともに、場合によってはプログラムの修正を含めて対応してください。
オンラインの事務点検ASPと呼ばれるコンピュータによる自動チェックと同じ処理が行われているものと思います。この試験には人による判断は含まれていません。
試験内容は『標準仕様』という書類で公開されています。
確認試験結果のエラーはどちらかというとレセプトの内容によるエラーです。正しく加算を算定していとか回数がおかしいなど、あるいは保険関係のものです。
とは言うもののカルテの入力ミスだけでなく、やはりデータやプログラムのミスによって発生するエラーもありますので、このエラーの場合もメーカーに連絡を取り、エラーの分析をして必要な改善処置を施します。
確認試験結果リストにあるレセプトは印字されて戻ってきます。左側はレセプト本体で、右側は審査結果の明細です。
本請求の場合の返戻もこれと同じように印刷されたレセプトが戻ってきます。
確認試験で問題なく請求できると判断した場合は、いよいよ本請求の申し込みをします。
必要な書類は『光ディスク等を用いた費用の請求に関する届出』です。これを確認試験と同様に基金と連合会に郵送します。
用紙は確認試験の結果に同封されている場合もありますが、確認試験と同じように基金や連合会に連絡すると送ってきますし、支払基金のwebサイトの様式集(http://www.ssk.or.jp/yoshiki/yoshiki_02.html)からダウンロードすることもできます。
ダウンロードした場合はワード文書なので、必要な事項をワードで埋めて印刷することができます。
送付方法は郵送です。これも事前に確認しておくと良いでしょう。
締め日は毎月20日です。
最終期限に間に合うようにするには平成27年4月20日までに、この書類を基金と連合会に提出する必要があります。
記載要領は同じ書類にありますので、それに従ってください。
「費用請求を 開始 変更 」とある部分は「開始」に丸をつけてください。
審査支払機関名は所属支部の基金名や連合会名です。
「点数表区分」は歯科に丸をつけます。
開設者の住所、氏名、保険医療機関の医療機関コード、名称、所在地、電話、郵便番号は保険医療機関届で届け出た内容です。
プログラム名、ソフトメーカー名は確認試験の届出と同じです。
請求開始・変更年月は請求を開始する月です。4月診療分から請求を開始する場合は、請求を開始する「5」月請求分からとします。
電子媒体は、実際に請求に使う媒体を選んで丸をつけてください。
届出を出した翌月から本請求が開始できます。
届出に対して特に連絡はありません。心配なようでしたら確認の電話をいれると良いでしょう。
なお東京都の説明では届出以後でも状況によっては印刷レセプトでの提出も受け付けるとのことです。
請求業務の解説はこちらをご覧ください。